大丸松坂屋が京都・嵐山に新アートスペースを開設。こけら落としは宮島達男、設計は石田建太朗

大丸松坂屋百貨店が、京都・嵐山に新たなアートスペース「Arashiyama Collective(嵐山コレクティブ)」を2027年4月にオープンする。建築設計は石田建太朗率いるKIASが担当。オープニング展覧会では宮島達男の個展が開催される。

「Arashiyama Collective(嵐山コレクティブ)」パース

 大丸松坂屋百貨店が、京都・嵐山に新たなアートスペース「Arashiyama Collective(嵐山コレクティブ)」を2027年4月にオープンすることを発表した。

コンセプトは「共創・継承・越境」

 同施設は、「共創・継承・越境」をコンセプトに、現代美術と嵐山の歴史や文化、日本の伝統的な美意識が交差する場を目指すもの。アーティストやギャラリー、地域社会などとの協働を通じ、アートのみならず、ラグジュアリー、ファッション、デザイン、伝統工芸など、異なる領域を横断する新たな文化的価値の創出を目指すという。

 施設は木造2階建てで、延床面積は約215平方メートル。1階をオープンギャラリー、2階を招待・紹介制の空間として運営する。

「Arashiyama Collective(嵐山コレクティブ)」パース

 建築設計を手がけるのは、建築家・石田建太朗が率いるKIAS(Kentaro Ishida Architects Studio)だ。石田はスイスの建築設計事務所ヘルツォーク&ド・ムーロンに在籍し、マイアミのペレス美術館などのプロジェクトに携わった経歴を持つ。今回の計画では、建築をたんなる展示空間ではなく、作品や鑑賞者、自然光、嵐山の風土や景観と呼応する「体験の一部」として位置づける。

 オープニングを飾るのは、現代美術家・宮島達男の個展だ。宮島は1957年東京都生まれ。デジタル数字を用いた作品で知られ、「それは変化し続ける」「それはあらゆるものと関係を結ぶ」「それは永遠に続く」という3つのコンセプトをもとに、「時間」と「生命」という普遍的なテーマを探究してきた。代表作には《Mega Death》(1999/2016)、《Sea of Time》(1988)などがある。

 今回の個展は、宮島が探究してきた時間や生命の概念と、長い歴史を通じて文化や美意識を育んできた嵐山という土地との出会いにも注目が集まる。なお、オープニング展以降の展覧会ラインアップについては、2027年初頭以降に発表される予定だ。

 大丸松坂屋百貨店は近年、百貨店の美術売場の改装や取り扱い作品の拡充に加え、アートを紹介するウェブメディア「ARToVILLA」の運営、若手アーティストを支援する「Ladder Project」など、アート事業を強化してきた。

 同社にとって今回の「Arashiyama Collective」は、そうした取り組みをさらに発展させるものとなる。1717年に京都・伏見で創業した大丸と、長年にわたって京都で呉服制作や染織・工芸品の収集に携わってきた松坂屋。その歴史的なつながりを背景に、百貨店という従来の商業空間を離れ、アートを通じた新たな文化発信の拠点を築くことになる。