JR東日本は「Beyond Stations構想」として、駅を交通の拠点という役割を超えた「つながる暮らしのプラットフォーム」へと転換を図っている。この一環として同社は東京藝術大学と包括連携協定を締結。アートを軸とした新しいサービスや価値の提供を目指し、ともに取り組むことを発表した。
この協定によって、JR東日本は首都圏および地方に協業拠点「JRE CREATIVE HUB」を構築。アーティスト活躍の場を拡大するための制作・販売の拠点整備や、JR東日本のリソースを活用した情報発信を実施する。
また、「アートによる文化創造」という面において、既に開発に着手している「TAKANAWA GATEWAY CITY」と連携を図り、「都市文化力の向上」をアートの側面からけん引。地方の拠点とも連携し、ものづくりや地場産業への支援、教育の視点を取り入れた取り組みを行い、生まれた商品や人材が首都圏に還元されるサイクルの構築を目指す。また、JR東日本の保有するアセットを活用し、「アート」を軸とした地域の盛り上げに寄与する。
加えて、「JRE CREATIVE HUB」の首都圏拠点は上野駅で整備予定。大型サイネージによるアート作品の放映や、駅空間におけるアート体験の提供、JR東日本が保有するアセットを活用した「アートツーリズム」の展開、ワークショップなどによる地域コミュニティとのつながり、商業空間との連携によるアート作品の展示販売などを実施していく計画となっている。
JR東日本はこれまでも、2021年には山手線・上野駅の公園口改札内連絡通路において、「山手線を美術館にする」というプロジェクト「Yamanote Line Museum」を開始。また22年にはアートと音楽の祭典「HAND!in YAMANOTE LINE」を開催し、今年に入ってからは商業施設「マーチエキュート神田万世橋」(2013年開業)を活用した「JAPAN ART BRIDGE」をスタートさせるなど、アートに対して積極的に関与する姿勢を見せている。