ロエベ財団、京都の老舗「釜師」大西清右衛門家の活動を長期支援へ

ロエベ財団は、ロエベジャパン50周年の取り組みとして、江戸時代より茶の湯釜造りを業としてきた大西清右衛門家の継続的活動支援を目的とした資金援助を開始した。

箒(ほうき)。十六代当主が二十代のころ、農家から稲穂を大量に譲り受けて自作したもの

 1998年にロエベ創業家の代目であるエンリケ・ロエベによって民間の文化財団として設立されたロエベ財団。同財団が、江戸時代から400年以上続く京都の「釜師」大西清右衛門家への6年間に渡る活動支援を開始した。

 この取り組みは、ロエベジャパンの50周年を記念したもののひとつで、大西清右衛門家の次世代育成支援、茶の湯釜工芸の未来への継承と啓蒙を目的としてるという。また、清右衛門家と15歳の後継・清太郎を写したドキュメンタリーも制作。写真家、ココ・カピタンによって撮影された写真は、現在開催中の「KYOTOGRAPHE 2023」において展示されている。

ガラス瓶に入った箆(へら)。鋳型のレリーフを作る際に用いる彫刻箆で、鉄、真鍮、銅、竹、拓殖(つげ)などの木材でつくられる。釜の文様に応じて必要なものを各代が自作して足してきた。江戸時代より大西家に伝わる箆に、現代のものも加わっていく

 ロエベ財団は2016年より「ロエベ財団 クラフトプライズ」を主催し、数多くの工芸作家たちを顕彰しているほか、21年には三鷹の森ジブリ美術館を運営する徳間記念アニメーション文化財団と3年間のスポンサーシップ契約を締結し、三鷹の森ジブリ美術館の運営をサポートするための資金提供も行うなど、積極的な文化支援の動きを見せている。

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