第25回亀倉雄策賞に、岡崎智弘「デザインあneo あのテーマ」映像と三澤遥「玉造幼稚園」サイン計画が選出された。同賞において2名同時受賞は初だという。
「亀倉雄策賞」は、JAGDA初代会長を務め世界のデザイン界にも影響を与え続けた故・亀倉雄策の業績をたたえ、1999年創設。毎年、年鑑『Graphic Design in Japan』への出品作品のなかから、年齢やキャリアを問わず、最も輝いている作品とその制作者に授与されるものだ。
岡崎が受賞となった作品は「デザインあneo あのテーマ」映像。コマ撮りの技法を用いて、様々な仕掛けのなかからテンポよく現れる「あ」の文字が印象的な作品だ。
三澤が受賞した作品「玉造幼稚園」サイン計画では、幼稚園のなかで発見できる植物をモチーフに組を設定。文字が読めなくても色と造形でクラスを見つけることができるというものだ。
ほかにも、「JAGDA賞2023」「JAGDA新人賞2023」など2023年を飾る各グラフィックデザイン賞も発表された。
JAGDA賞は、その年を代表する優れたグラフィックデザインを顕彰するもの。後世に伝えるものとして2008年に創設され、毎年『Graphic Design in Japan』出品作品のなかから、とくに優れた数作品に授与されている。
2023年は10作品が受賞。服部一成 ポスター「これはリンゴではない」、牧寿次郎 ジェネラルグラフィック「芸術激流 ラフティング+アート」、永井一史 CI・VI・シンボル・ロゴ「Juchheim」、葛西薫 ブック・エディトリアル「岩松了戯曲集(1986-1999 / 2000-2022)」、関本明子 パッケージ「七條甘春堂」、窪田新 新聞広告・雑誌広告「ユーミンをめぐる物語」、三澤遥 環境・空間「玉造幼稚園」(亀倉雄策賞と同時受賞)、坂本俊太 デジタルメディア「演奏図案」、松永美春 映像「POCARI SWEAT 手をのばそうよ。届くから。」、藤田佳子 複合「香林居」(新人賞と同時受賞)が選ばれた。
JAGDA新人賞は、優秀な若手デザイナーをクローズアップし次代を担う人材を育成するため、1983年創設された。こちらも同様に『Graphic Design in Japan』出品者から、今後の活躍が期待される39歳以下の有望なグラフィックデザイナーに授与されるものだ。
2023年は石塚俊、藤田佳子、矢後直規の3名が新人賞を受賞することとなった。
なお、これらの受賞作品が掲載された年鑑『Graphic Design in Japan 2023』は今年6月に発売予定。「第25回亀倉雄策賞受賞記念展」や「JAGDA新人賞展2023」なども随時開催されるため、ぜひ足を運んでみてはいかがだろうか。