東京国立博物館の文化財修理プロジェクトの一環として、バーチャル・シンガー「初音ミク」と17世紀の美人画《見返り美人図》のコラボレーションが実施される。イラストレーターによる《見返り美人ミク》を使用したコラボグッズを9月6日より販売し、その売り上げの一部を文化財の修繕費として活用するという。
このプロジェクトは、独立行政法人国立文化財機構、東京国立博物館、文化財活用センターの3団体が2022年4月から開始したファンドレイジング事業「踊る埴輪&見返り美人 修理プロジェクト」の一環。修理対象となる文化財は、踊るような姿をした大小2体の人物形象埴輪《埴輪 踊る人々》と、江戸時代に菱川師宣によって描かれた肉筆画《見返り美人図》の2点となる。
メインビジュアルの「見返り美人ミク」は《見返り美人図》をモチーフに、紅色の鮮やかな振袖をまとい、前髪を立てて元結で結ぶ「吹前髪」姿のミクの、ふと振り返る一瞬が描かれている。桜と菊が円形にあしらわれた花丸模様の振袖、当時の人気役者の着こなしにちなんだ帯結び「吉弥(きちや)結び」など、《見返り美人図》の魅力である江戸時代のファッションの流行が忠実に再現されているのが特徴だ。
なお、東京国立博物館平成館では9月6日~10月2日の期間限定・連動企画として、《見返り美人ミク》と、2020年に重要文化財《冬木小袖》修理プロジェクトの一環で制作されたキービジュアル「《冬木小袖》ミク」も展示される。ミュージアムショップでコラボグッズを購入される方は、あわせてこちらにも立ち寄りたい。