「瀬戸内国際芸術祭2022」が4月より開催へ。コロナ禍で「原点に立ち返る」

2010年の初開催以来回数を重ねてきた瀬戸内国際芸術祭が来年、5回目の開催を迎える。これを前に、企画発表会が東京・日本橋で行われた。

ソピアップ・ピッチ la danse 2021

 瀬戸内海の直島をはじめとする複数会場で展開される「瀬戸内国際芸術祭」。その第5回となる「瀬戸内国際芸術祭2022」が4月14日からスタートする。

 2010年の初開催以来、毎回100万人前後の来場者を記録してきた瀬戸内国際芸術祭。コロナ後の初開催となる「瀬戸内国際芸術祭2022」ではこれまで同様、春(4月14日〜5月18日)・夏(8月5日〜9月4日)・秋(9月29日〜11月6日)の3会期(計105日間)にわけて芸術祭を開催。直島、豊島、女木島、男木島、小豆島、大島、犬島など14のエリアが会場となる。

 今回は、会場となる各市町が立案した地域計画に寄り添うかたちで芸術祭を展開。例えば直島は、ベネッセアートサイト直島の「ヴァレーギャラリー」など新規施設をベースに作品計画を展開し、豊島は大竹伸朗の「針工場」リニューアルや甲生地区の新規展開などを進めるという。

 福武財団理事長で同芸術祭総合プロデューサーを務める福武總一郎は、9日に行われた計画発表会において、「コロナ禍においてアートの力、芸術祭はより一層重要になっている。メッセージ性の高い現代アートに向きあうことで人間の幸せや持続可能な社会などを考えることは意義あること」としつつ、次回の芸術祭は「いままで以上に大きな意味を持つ」と意気込んだ。

 いっぽう総合ディレクターの北川フラムは、コロナ禍での開催という状況を踏まえ、「今回は瀬戸内国際芸術祭の原点に立ち返り、ゆったりと見ていただく。コロナ対策を万全にしつつ、『行って良し来られて良し』の芸術祭にしたい」と展望を語った。

 現時点で公表されている参加作家・プロジェクト数は71。うち、マッシモ・バルトリーニ、アイシャ・エルクメン、保科豊巳、木ノ下歌舞伎、大宮エリー、ソピアップ・ピッチなど33組は初参加となる。

木ノ下歌舞伎 撮影=東直子

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