美術館をサステイナブルな存在に。国際美術館会議(CIMAM)がツールキットを発表

美術館でカーボンニュートラルを実現するため、国際美術館会議(CIMAM)が様々な事例やガイド、ツールをまとめた「美術館の実践における環境維持に関するツールキット」を発表した。

(C) CIMAM

 国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」に沿って美術館でカーボンニュートラルを実現するため、国際美術館会議(CIMAM)が「美術館の実践における環境維持に関するツールキット」を発表した。

 このツールキットは、「緊急対応の例」「サステナビリティ・アクションプラン」「カーボンフットプリント計算機と証明書」「サステナビリティ・コンサルタント」「インスパイアイングプロジェクト、プラットフォーム、およびリソース」「リーディングリスト」の6つの部分によって構成されており、CIMAM理事会メンバーの美術館や関連プロジェクトによる様々な事例、ガイド、ツールなどがまとめられている。

 例えば、「即時行動の例」ではCIMAM理事会メンバーの美術館や学芸員によって実施されている、展示プログラム、美術館のスタッフ、建物の効率などに関する一連のアクションやソリューションを紹介。展覧会の開催期間を3ヶ月半以上に延長することや、地元のアーティストやコレクションの作品をより重視すること、展示什器などを再利用することなどが挙げられている。

 「カーボンフットプリント計算機と証明書」では、「Gallery Climate Coalition」が開発した、現在のビジネスにおける温室効果ガスの排出量を推定する「カーボン計算機」のほか、温室効果ガスの排出量をオフセットしている企業の認定を行う「Climate Neutral Certificate」などのツールが公開された。

 なお、CIMAMは温室効果ガスの排出や廃棄物を削減するため、メンバーシップカードの完全なるデジタル化などを実施しており、今回のツールキットも定期的に更新する予定だという。ツールキットの全文はこちらから閲覧可能。

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