2021.4.6

坂茂が設計。豊田市の新博物館が2024年に開館へ

愛知・豊田市が2024年秋に豊田市美術館に隣接するかたちで新たな博物館をオープンさせる。建築設計は坂茂、ランドスケープデザインはピーター・ウォーカーが手がける。

豊田市の新博物館のランドスケープデザイン。左上が新博物館、右上が豊田市美術館

 愛知県豊田市が、2024年秋に新たな博物館をオープンさせる。

 この博物館は、17年3月の「豊⽥市新博物館基本構想」でとりまとめられた「博物館基盤機能、出会い・ 交流機能、学習⽀援・創造機能、ネットワーク機能を有した施設」にあたるもので、豊田市の歩みを物語る資料を収集・調査し、 その価値と魅力を発信していくもの。

 新博物館は現在の「豊田市近代の産業とくらし発見館」と「豊田市郷土資料館」を統合したうえで、豊田市美術館に隣接する旧豊田東高等学校跡地に建設される。建築設計を担当するのはポンピドゥー・センター・メスや大分県立美術館で知られる坂茂。計画では博物館のほか、屋外展⽰や広場、駐⾞場を一体で整備。ランドスケープはデザイナーのピーター・ウォーカーが手がけ、隣接する豊田市美術館と一体となるデザインが志向される。

 博物館建築の床面積は7000〜7500平米を予定。館内には豊⽥市の歴史、⽂化、⾃然、⼈々の想いなどを総合的に扱う常設展示室と企画展示室、収集と保存を行う収蔵庫や保管庫、資料閲覧室、セミナールームなどが入る。

 さらに、同館は収集保存や、調査研究、展示といった博物館の基本的な事業に加え、出会いや交流を目的とした事業にも注力する。館内の各部屋へのハブとなるスペース「えんにち空間(仮称)」では、可動式の展示用具を中心とした「とよた発見屋台」や、市民の記憶や体験をアーカイヴするコーナーやキッズコーナー、カフェなどを設置。市の内外から訪れる人々に体験型プログラムや、伝統芸能の発表をはじめとしたイベントを開催し、地域の歴史、文化、自然などに触れられるようにするという。

 また、館外にも民家や蔵などの屋外展示、郷土に関連したイベントを開催するイベントフィールド、体験型の屋外施設となるキッズフィールドなど、訪れる人々に開かれた施設が用意される。