いまやルーヴルと並びフランス・パリを代表する美術館であるオルセー美術館が、「オルセー美術館ヴァレリー・ジスカールデスタン」へと改名されることが決定した。
ヴァレリー・ジスカールデスタンとは、1974年から81年にかけフランス大統領を務めた人物。オルセー美術館は、パリ万国博覧会の開催にあわせて建設されたオルセー駅の鉄道駅舎兼ホテルを美術館に改修したものだが、その発案者がジスカールデスタン元大統領だ。
ジスカールデスタン元大統領は、昨年12月に新型コロナウイルスによって94歳で死去。その功績を偲び、オルセー美術館に元大統領の名前を冠するべきだという動きが、政治側から起こっていた。
今回の改名決定は3月25日に議会の全会一致で採択されたもので、ジスカールデスタン元大統領に敬意を表したものだとされている。正式な改名時期は不明だが、フランス政府はできるだけ早く名称変更を有効にするための政令を発令したい考えだ。
なおこの改名には、2010年にオルセー美術館と同一組織となったオランジュリー美術館もその対象に含まれている。
フランス国内にはすでにポンピドゥー・センター、ミッテラン図書館、ケ・ブランリー=シラク美術館など、第五共和制を代表する大統領たちの名を冠した文化施設が存在しており、オルセーとオランジュリーもこの仲間入りをすることとなる。