出光美術館が今年9月からの開催を予定していた「江戸絵画の華」が、開催中止となった。
同館は、アメリカのビッグコレクターとして知られるエツコ&ジョー・プライス夫妻(プライス財団)のコレクションから、190点におよぶ日本美術を購入。伊藤若冲の代表作のひとつであり、「升目描き」の技法によって描かれた《鳥獣花木図屏風》(18世紀)をはじめ、円山応挙《虎図》(1785)、酒井抱一《三十六歌仙図屏風》(19世紀)など、いずれも日本美術を代表する名品の数々が含まれている。
「江戸絵画の華」は、この購入作品から約80点を紹介する展覧会で、若冲《鳥獣花木図屏風》を筆頭に、応挙の屏風絵、肉筆浮世絵、酒井抱一、鈴木其一ら江戸琳派の優品が公開されるはずだった。
しかしながら、新型コロナウイルスの影響が継続するなか、安全性を考慮し開催は中止。現時点で新たな開催時期は未定だが、同館では「来年以降、そう遠くないタイミングでの実現を検討中」としている。