オランダ・アムステルダムを拠点に活動しているピアニストで美術家の向井山朋子とヴィンセント・ファン・ゴッホの絵画が共演するオンライン・コンサート「Night at the Museum」が7月12日、閉館後の夜のゴッホ美術館から配信される。
本プロジェクトは、向井山とシネマトグラファーのレニエ・ファン・ブルムレンが共同で制作したオンライン・コンサートシリーズ「A Live」の第3弾。従来のコンサートやパフォーマンスの形態が困難な現在のコロナ時代において、新しいバーチャルプラットフォームを探ることを目的に始まった試みだ。
向井山は今年5月より、アムステルダムのムジークへボーを会場に、光のインスタレーションのなかでパフォーマンスを行った第1弾「SUPERT:A Live」と、ブルムレンと7人の映像チームが撮影を担当し、映画的なアプローチで挑む第2弾を公開。アーティストと鑑賞者による場所と時間の共有を最新のテクノロジーを通じ、新たなライブ体験を提示してきた。
同シリーズ最後となる今回、向井山はゴッホ美術館の創設者であるヴィンセント・ウィレム・ヴァン・ゴッホより美術館へ寄贈されたスタインウェイや、ベルギーのピアノ工房がバレンボイムとともに開発した交差なしのストレート張弦のピアノ、クリス・マーネを演奏。
プログラムは、2005年に向井山がゴッホ美術館で初演した『ソニック・タペストリー』。バロックからコンテンポラリーまで35年にわたる音楽の断片を織り込み、近代絵画を代表する《ひまわり》の前でパフォーマンスを行う予定だ。