あいトリ参加作家のタニア・ブルゲラ、キューバ当局によって一時拘束。警察への抗議が理由か

パフォーマンスアーティストとして知られるタニア・ブルゲラが、キューバ当局によって一時的に拘束されていたことがわかった。すでに釈放されている。

タニア・ブルゲラのFacebookより、「Me llevan(連れて行かれる)」というメッセージ

 あいちトリエンナーレ2019にも参加していたパフォーマンスアーティスト、タニア・ブルゲラがキューバ警察によって一時的に拘束されていたことがわかった。

 タニア・ブルゲラは1968年キューバ・ハバナ生まれで、現在はハバナとニューヨークを拠点に活動しているアーティスト。政治的権力や移民、検閲などの社会問題をテーマに、参加型作品を発表してきた。

「あいちトリエンナーレ2019」より、タニア・ブルゲラ《1015090》(2019)の展示風景

 今回の拘束は、6月30日朝に発生したもの。ペン・アメリカによると、ブルゲラはキューバ当局によって、家の外で逮捕されたという。ブルゲラはこの逮捕の前日、キューバでの平和的な抗議活動の最中、若い女性が拘束された後に死亡したことをFacebookに投稿。当局に対して抗議の声を挙げていた。

 ブルゲラの行方は不明だったが、10時間におよぶ拘束の後、同日夕方に釈放されたと本人のFacebooページで伝えられており、ペン・アメリカもそれを認めている。

 今回発生した拘束に対し、いち早く反応したペン・アメリカは、同組織のアーティスト・リスク・コネクション・ディレクター、ジュリー・トレボーのコメントとして「重大な不正が起きたことは明らかだ」とキューバ当局を非難。「我々は、表現の自由を行使しようとするアーティストや活動家に対する、現在進行形の嫌がらせや投獄に終止符を打つことを求める。またブルゲラの即時の自由を要求する」としていた。

 ブルゲラが拘束されるのは今回が初めてではなく、これまでも抗議デモやパフォーマンスが原因で、過去5年間のあいだに幾度も拘束されてきたという。

 キューバでは、2018年に政府の承認なしにアーティストが公共空間および私的空間で活動することを禁止する法律(法令 349)が制定されており、ブルゲラはこの法律に対する抗議デモの際も、当局によって拘束されている。

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