パリ、ニューヨーク、東京、ソウルなど6つの都市にスペースを持つペロタン・ギャラリーが、香港支店を尖沙咀(チムサーチョイ)港に面した総合施設「K11 ATELIER Victoria Dockside」に移転することを発表した。
「Victoria Dockside」は、香港の実業家・アートコレクターである鄭志剛(エイドリアン・チェン)が創設し、2019年に開館したもの。施設には、アートに特化したショッピング・モール「K11 MUSEA」や、オフィスビル「K11 ATELIER」、レジデンス「K11 ARTUS」などが含まれており、2021年に開館予定の美術館「M+」や香港芸術館、香港文化中心などの美術機関に隣接している。
ペロタンは、同施設にスペースを構える初のギャラリー。新しいスペースのデザインは、香港を拠点にしたインテリア・デザイナーであるアンドレ・フーとその設計事務所「AFSO」が担当。2500平米におよぶスペースは、ふたつの展示室とVIPサロン、オフィスで構成され、展示エリアの3分の1を占めるサロンには、同ギャラリーの創設者であるエマニュエル・ペロタンが考案したアートディスプレイシステムが導入される。
ペロタンは新しいスペースについて、「近年では、ギャラリーはプライベートサロンのスペースを拡大し、専用サロンを開設するなど、より多くの交流の機会をつくってきた。新しい香港のギャラリーが、『アートと人間を核心にする』というDNAを反映したプロジェクトの一部となることを嬉しく思っている」とコメントしている。
また、同ギャラリーのパートナー・アジアパシフィック代表の中島悦子と龍玉(アリス・ルン)は、「コラボレーティブ文化やクリエイティブエネルギー、気楽な雰囲気、そしてアクセスしやすい環境を有するK11 ATELIER Victoria Docksideは、中央金融地区に取って代わる非常に相性の良い場所だ」とし、「ビクトリア・ドックサイドからウェスト・カウルーンまでの海岸沿いは、アートコミュニティエリアとなり、我々のアーティストにより多くの探検と熟考の機会を与えるだろう」と述べている。
新しいスペースのこけら落とし展は、ポートレート作品を中心にしたグループ展となる。会期は6月20日からスタートする。