今年に入ってからすでに5点の作品(うち1点はドローイング)を発表しているバンクシー。その正体は、依然として「覆面のアーティスト」としてベールに覆われている。そんなバンクシーの半生を描く評伝が邦訳され刊行された。
『バンクシー 壁に隠れた男の正体』(パルコ出版)の著者は、イギリスの『サンデー・タイムス』紙の主任記者を経て、現在は同紙のニューヨーク特派員であるとともに、『テレグラフ』紙、『インディペンデント』紙、『サガ』紙の折込雑誌でシニア編集員を務めるウィル・エルスワース=ジョーンズ。
緻密な取材をもとに、バンクシーが「バンクシー」になる以前の生い立ちや、作品にステンシルを用いる理由、バンクシー作品を取り巻くマーケット、そしてバンクシー作品の公式認証組織「ペスト・コントロール」まで、様々な角度からバンクシーとバンクシー作品を追う内容となっている。
バンクシーを理解するうえで、貴重な資料となる1冊だ。