文化芸術活動緊急奨励金を創設するなど独自の施策で注目を集める京都市が、芸術家などの支援のニーズを明らかにするための実態調査を開始した。
京都市が始めたのは「京都の芸術家等の活動状況に関するアンケート」で、京都市で活動するアーティストのほか、それを支える制作サイド(プロデューサー、キュレーター、テクニカル等)や施設(劇場、ライブハウス、福祉・教育関連等)で働く人々を調査対象として実施。
アンケート項目には「収入の損失」や「公演、展示、イベント等の延期または中止がどの時期まで続くと、生活費(食費、光熱費、住居費、医療費、交通費等)の確保が困難となるか」などの項目が並ぶ。
京都市は「自治体が直接広くアンケートを実施している例はないのではないか」としており、実施背景について「文化芸術活動緊急奨励金に続く、次の施策の検討もスピード感をもって進めるためだ。この社会状況の変化に対応していくために行政として必要な施策は何か、結果を真摯に受け止めて考えたい」と説明。5月17日を期限に意見を募る。
なお、民間のコンサルティングファーム「ケイスリー」が4月に実施した調査では、回答者の約9割が行政からの支援が不十分だと答えていた。