秋山祐徳太子が逝去。「ポップ・ハプニング」や都知事選立候補などパフォーマンスを展開

「ポップ・ハプニング」と称するパフォーマンスや東京都知事選立候補などで知られる美術家・秋山祐徳太子が、4月3日に老衰のため死去した。享年85。

秋山祐徳太子 提供=ギャラリー58

 「ポップ・ハプニング」や東京都知事選立候補などのパフォーマンスで知られる美術家の秋山祐徳太子が、4月3日、老衰のため逝去した。享年85。

 秋山は1935年東京都生まれ。武蔵野美術学校(現武蔵野美術大学)彫刻科で学び、岐阜市民センター(現岐阜市文化センター)、金公園、長良川河畔を舞台に開催された「現代美術の祭典 アンデパンダン・アート・フェスティバル」(1965)に参加。その後、菓子の「グリコ」のパッケージを模して、日の丸を背にランニングシャツ姿で走る「ダリコ」をはじめ、「ポップ・ハプニング」と称するパフォーマンスで注目を集める。

 73年の初の彫刻展以降は、ブリキによる彫刻作品を次々と発表。また、政治のポップ・アート化を目指し、75年と79年の二度にわたり東京都知事選に立候補。立候補時のポスターは《東京都知事立候補ポスター》として、国立国際美術館、東京都現代美術館などに収蔵されている。

 主な参加展覧会に「現代風刺画展」(東京都美術館、1978)、「岐阜アンデパンダン・アート・フェスティバル─20年後の動向」展(岐阜県立美術館、1984)、「前衛の日本展」(パリ、ポンピドゥー・センター、1986)、「美術の国の人形たち」(宮城県美術館、1989)、「秋山祐徳太子の世界展」(池田20世紀美術館、1994)、「秋山祐徳太子+しりあがり寿 ブリキの方舟」(広島市現代美術館、2011〜12)など。

 赤瀬川原平、高梨豊とともにライカを始めとする機械式カメラを愛好する「ライカ同盟」も結成、写真作品の発表や著述も行った。また『通俗的芸術論』(土曜美術社)、『泡沫桀人列伝』(二玄社)、『ブリキ男』(晶文社)、『恥の美学』(芸術新聞社)、『天然老人』 (アスキー新書)、『秋山祐徳太子の母』(新潮社)などの著書がある。

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