ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジオ(1571〜1610)の傑作のひとつが、約30年ぶりに来日する。
来日するのは、バチカン美術館が所蔵するカラヴァッジョの《キリストの埋葬》(1602)だ。同作は、死を迎えたキリストと、その死を嘆き悲しむ人々を劇的な構図によって描いた、カラヴァッジョ円熟期の傑作のひとつ。
この作品が、2020年に国立新美術館にて開催予定の「カラヴァッジョ《キリストの埋葬》展(仮)」(10月21日〜11月30日)で展示される。
同展は、1919年に日本にローマ教皇庁使節館が設置されたことから100年を記念し、角川文化振興財団が進める「バチカンと日本 100年プロジェクト」の一環として行われるもの。展覧会は《キリストの埋葬》を中心に構成。作品が描かれた歴史的な背景の説明とともに、カラヴァッジョの傑作を大きな視点から見直すことを目指す。
なおカラヴァッジョをめぐっては、今年6月、失われていた1607年のカラヴァッジョ作とされる《ユディトとホロフェルネス》が、オークションに登場する前にプライベート契約で売却され大きな話題を集めた。また日本では、《法悦のマグダラのマリア》などを含む作品を展示する「カラヴァッジョ展」が巡回開催されている(〜2020年2月16日)。