津田大介がラジオに生出演、心境語る。「文化・芸術に対するテロの問題」

8月3日に展示が終了したあいちトリエンナーレ2019の「表現の不自由展・その後」について、芸術監督・津田大介がJ-WAVEの「JAM THE WORLD」に生出演。心境を語った。

 

津田大介 あいちトリエンナーレ2019のプレス内覧会にて撮影

 「あいちトリエンナーレ2019」の芸術監督である津田大介が8月5日、自身がナビゲーターを務めるJ-WAVE「JAM THE WORLD」の生放送に出演、展示中止になった「表現の不自由展・その後」について心境を語った。

 この日の「JAM THE WORLD」は名古屋からの生放送。津田は放送の中でまず「作家の許可なく、緊急措置として展示企画を中止する対応をしてしまったこと、現場に混乱をもたらしてしまったこと、その結果として現場の職員や関係各所にご迷惑をおかけしたことを深くお詫び申し上げます」と謝罪。

 本件に関しては「検閲」という視点から語られることが多々あるが、「検閲の問題だとは思っていない」と話した。「大量の抗議やテロの予告などがあることで運営ができなくなる『芸術祭の脆弱性』が可視化された。検閲というよりは、文化・芸術に対するテロの問題です」。

 番組では「脅迫があっても続けるべきだったのではないか」というSNSの意見も紹介された。これについて津田は「その通りだと思います。ある程度の覚悟がなければ他人の感情を刺激するような表現をする資格はない」としながらこう反論した。「僕個人だったら刺されてもいいが、僕だけではなく会場にはお客さんもいるし、アーティストの作品もある。何よりも疲弊するのはスタッフであり、スタッフにまで闘争する覚悟を強いることはハラスメントになってしまう」。

 また「表現の不自由展・その後」で《平和の少女像》が展示されたことへの疑問も紹介されたが、(ディレクターが検閲しないよう)作家の最終決定権は「表現の不自由展・その後」実行委員会にあったことを説明。そのいっぽうで「責任を取るのは僕である」と語った。

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