「#あいちトリエンナーレを支持します」。「検閲」で注目を集める「あいちトリエンナーレ2019」に対し、こんな支援の声がSNSで広まっている。
問題となっているのは、同トリエンナーレ内に展示された「表現の不自由展・その後」。展示作品のひとつ《平和の少女像》に対し、名古屋市長・河村たかしが展示の中止と撤去を同トリエンナーレ実行委員長の大村秀章愛知県知事に要請すると発表。「検閲」が明るにみなった。
また、抗議の電話も殺到しており、テロ予告や脅迫とも取れるもの、対応した職員個人を攻撃するものも含まれるという異例の事態に。これに対し、芸術監督・津田大介は「来場者および職員の安全が危ぶまれる状況が改善されないようであれば」という前提のもと、展示を変更する可能性についても示唆している。
そんななか、SNSでは津田の姿勢やあいちトリエンナーレ2019を支持するハッシュタグ「#あいちトリエンナーレを支持します」が登場。アートファン、美術関係者からも声が挙がっている。
アートに限らず、今ちゃんと生きようとか、ちゃんとしようと思ったらどうしてもネトウヨと正面衝突することは多々あることなんじゃないかと思う。困った時は属性こえて助け合おう。応援してます。#あいちトリエンナーレを支持します
— AKIRA THE HUSTLER (@YKOTKO) August 2, 2019
今回の展示は作家の直接的な政治的立場の表明ではなく、「表現規制を受けた歴史的事例」として美術館の中で展示されている。これが検閲されるならあらゆる博物館美術館の歴史展示が成り立たなくなります。冷静な行政判断をお願いしたいです。#あいちトリエンナーレを支持します
— ton yabumae (@ton0415) August 2, 2019
トリエンナーレから何かを撤去しろって行政とかから言われたら、素直に撤去して、そこに撤去しろって言ってきた人の写真と撤去命令の通達を貼れば作品完成。まさに表現の不自由展
— 星空の能町みね子 (@nmcmnc) August 2, 2019
現時点で、大村知事はこの事態について言及しておらず、その行方に注目が集まる。あくまで、あいちトリエンナーレ2019全体の出展作家の一部である「表現の不自由展・その後」。その内容は展示構成と文脈に沿って、冷静に判断されることが求められる。