もの派、ポスター、メディア・アートに見るアーカイヴの新たな展望。多摩美術大学で2日間のシンポジウムが開催

2018年4月に創設された、多摩美術大学のアートアーカイヴセンター。同所で、創設記念のシンポジウム「新たなるアートアーカイヴに向けて」が開催される。今回は「もの派」「ポスター」「メディア・アート」をテーマに、久保田晃弘、港千尋、加治屋健司、林道郎らが登壇する。日程は3月29日、30日。

三上晴子《Eye-Tracking Informatics Version 1.1》展示風景 撮影=竹久直樹

 2018年4月に設立された、多摩美術大学のアートアーカイヴセンター。大学が有する膨大な美術資源を整理するとともに、時代背景や制作過程までを含めたアーカイヴを構築し、次の世代に繋げるためのプラットフォームとして活動してきた。

 そんな同所で今回、第1回目となるシンポジウム「新たなるアートアーカイヴに向けて」が開催。センター設立時の活動の軸である「もの派」「ポスター」「メディア・アート」を中心に、発表と議論が行なわれる。

「もの派-70年代 by Anzai」展示風景

 具体的には、「もの派」に深く関連したアートドキュメンタリスト・安齊重男の写真の可能性を探る「もの派 / 安齊重男写真アーカイヴ」、同大学と製紙会社の竹尾、DNP(大日本印刷)が収集するポスター群を扱う「ポスター / 多摩美ポスターアーカイヴ」、15年に急逝したメディア・アーティスト、三上晴子のインタラクティヴ・インスタレーション作品を事例とした「メディアアート / 三上晴子アーカイヴ」の3つが今回のテーマとなっている。

「竹尾ポスターコレクション展 ノイエ・グラーフィクとその時代」展示風景

 発表には渡邉朋也(山口情報芸術センター)、馬定延(明治大学)、久保田晃弘(多摩美術大学)、光田由里(DIC川村記念美術館)らが登壇。また、2日目の「トークセッション」には建畠晢(多摩美術大学)、港千尋(多摩美術大学)、加治屋健司(東京大学)、林道郎(上智大学)が参加し、アートアーカイヴの未来を広い視点から議論する。

編集部

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