神戸に新たな芸術祭「アート・プロジェクト:TRANS- 」が誕生。2019年の初回はグレゴール・シュナイダーとやなぎみわが参加

公益財団法人神戸市民文化振興財団は、「アーティストとともにつくり、ひらく文化創生都市KOBE」をテーマに、2019年9月から新たな芸術祭「アート・プロジェクト:TRANS- 」を開催する。

やなぎみわ 野外劇『日輪の翼』 2017 (原作=中上健次、企画/演出/美術=やなぎみわ) ©2018 やなぎみわ ※参考作品

 今回、2019年9月の開催が明らかになった「アート・プロジェクト:TRANS- 」は、公益財団法人神戸市民文化振興財団が主催するもの。

 同財団では、「クリエイティブ・シティとしての神戸の新たな可能性を、世界の第一線で活躍する現代アーティストとともに見出し、地域と連携をとりながら創作を実現、見慣れた風景を一変させ、異次元の世界や異空間へ“飛び越えて”いくことを目指す」としている。

 この芸術祭の特徴は参加作家にある。「アート・プロジェクト:TRANS- 」では第一次作家として、海外と国内からそれぞれ1名ずつ作家を招聘。兵庫港地区、新開地地区、新長田地区の3会場の特性にちなみ、「TRANS-」を冠したテーマに基づく作品を発表する。

 現時点で決定している参加作家は、グレゴール・シュナイダーとやなぎみわの2名。

左から、やなぎみわ、久元喜造神戸市長、グレゴール・シュナイダー

 シュナイダーは1969年ドイツ生まれで、2001年にはヴェネチア・ビエンナーレドイツ館代表作家となり、金獅子賞を受賞。以降、インドの寺院前に道の門を立てたるなど、時空がねじれた非現実な体験を促すインスタレーションを手がけてきた。現在はデュッセルドルフ芸術大学で教授も務めている。

グレゴール・シュナイダー ボンディ・ビーチ、21のビーチ・セル 2007 金網、マットレス、日傘、ゴミ袋 © Gregor Schneider / VG Bild-Kunst Bonn ※参考作品

 いっぽうのやなぎは、1967年神戸市兵庫区生まれ。「エレベーターガール」や「マイ・グランドマザーズ」など、CGや特殊メイクを駆使した写真で、若さと老いといった女性を取り巻く諸問題への洞察を試みる作品を発表。2009年には、ヴェネチア・ビエンナーレ日本館代表作家となり、11年以降は演劇への取り組みをスタート。17年の「港都KOBE芸術祭」では野外劇『日輪の翼』のための移動舞台トレーラーを展示した。

やなぎみわ 川中島 2016 デジタル・プリント 285x160cm ©2018 やなぎみわ ※参考作品

 作家を少数に絞る芸術祭の先駆的存在として、別府で毎年開催されている「In BEPPU」があるが、本芸術祭もこれと同様の性格を持ったものになりそうだ。

 なお、第二次作家についてはアート・プロジェクト全体の構成上、必要に応じて選定する予定だという。

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