これまで坂本龍一、大友良英がゲスト・ディレクターを務めてきた札幌国際芸術祭。2020年冬の開催が予定されている第3回では、複数のディレクターによるチーム制となることが明らかにされてきた。そして9月21日、その人選が発表された。
ディレクターチームの内訳は、現代美術、メディア・アートを担当する企画ディレクター各1名と、芸術祭を来場者目線でわかりやすく伝える役割を担うコミュニケーションデザインディレクター。
現代美術の企画ディレクターは、北海道立近代美術館と横浜美術館の勤務を経て現在は横浜市民ギャラリーあざみ野主席学芸員の天野太郎が務める。天野は今回の就任について「これまでの実績を継承しながら、札幌、北海道の豊かな人材や関係機関とのつながりを緊密に築き、その歴史性、地域性を掘り下げながら実りある国際展を実現させたい」とコメント。
天野の選考理由として実行員会は、札幌での勤務経験や、16年度から同芸術祭コミッティーの一員として尽力してきたことに加え、長年培ってきた企画力やネットワーク、人柄などを挙げている。なお、天野はディレクターチームの統括も兼任する。
いっぽう、メディア・アートの企画ディレクターはアグニエシュカ・クビツカ=ジェドシェツカが担当する。ジェドシェツカは1994年からWROメディア・アートセンター財団(現代美術、メディア、コミュニケーションを専門とするポーランドの民間公益団体)の一員として活動。以来、ポーランドのメディア・アート界を牽引する国際イベント「WROメディアアートビエンナーレ」に過去13回にわたり携わってきた。今回の就任については、「現代の自然と文化が一体化した科学技術社会を背景とした誰もが参加できる包括的な参加活動に関心がり、それを企画に生かしたい」と意欲を語っている。
なお、コミュニケーションデザインディレクターは、今後、公募により選考が行われるという。