「写真新世紀」2018年度のグランプリはソン・ニアン・アンに決定
2018年11月2日、キヤノン主催の文化支援プロジェクト「写真新世紀」のグランプリ選出公開審査会が東京・目黒区の東京都写真美術館で開催。ソン・ニアン・アンの《Hanging Heavy On My Eyes》がグランプリを受賞した。
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「写真新世紀」は写真表現の可能性に挑戦する新人写真家の発掘・育成・支援を目的とした、キヤノン主催の文化支援プロジェクト。今年で28年目を迎え、新人写真家の登竜門としても知られる本賞に、今年は1992名の応募があった。
今年7月には優秀賞受賞者7名と佳作受賞者12名が選出され、このたび11月2日に行われたグランプリ選出公開審査会で、審査員の合議により、ソン・ソニン・アンのグランプリ受賞が決定した。
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ソン・ソニン・アンは1983年シンガポール出身。2012年にロンドン芸術大学を修了した。受賞作《Hanging Heavy On My Eyes》の背景には、インドネシア、スマトラ島のパーム油プランテーションで増加する森林火災と、それに伴うヘイズ(煙霧)の問題がある。作家はシンガポール国家環境庁が 日々発表する大気汚染指標(PM2.5)の記録を暗室で印画紙に焼き付けながら、少しずつ変化を示す銀塩写真につくりあげ、目に見えない空気を可視化した。
ソン・ニアン・アンは受賞の感想を次のように述べている。「優秀賞に選ばれた作品のクオリティはいずれも非常に高く、厳しい選考を経て、私の作品がグランプリに選ばれたことに感動しました。他のアーティストの作品には、彼らの日常における 個人的な逸話や物語が背景にあり、私はとても謙虚な気持ちになりました。今回の受賞作品展 でのスムーズな運営や、アーティストのこだわりに対して理解を示してくださった『写真新世紀』 の関係者に感謝を申し上げます」。
なおグランプリ受賞作品を含む、優秀賞および佳作の受賞作品は、東京都写真美術館にて11月25日まで開催中の「写真新世紀展 2018」で見ることができる。
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