これまでも数々の日本美術の作品の高精細複製品を制作し、国立博物館をはじめ、日本全国の多くの博物館や美術館、寺社などに寄贈してきたキヤノンの「綴プロジェクト」。これを活用した国立文化財機構文化財活用センターとキヤノンの共同研究プロジェクトが発足した。
「綴プロジェクト」は、美術館や博物館の展示において様々な制限がかけられている日本美術の高精細複製品を制作し、オリジナルの文化財をより良い環境で保存しながら、その高精細複製品を有効活用することを目的としたもの。これまでに、尾形光琳の《八橋図屏風》をはじめ、長谷川等伯の《松林図屏風》、海北友松の《建仁寺方丈障壁画 雲龍図襖》、伊藤若冲の《樹花鳥獣図屏風》など多数の日本美術の複製品を制作してきた。
今回の共同研究プロジェクトは、2018年7月に国立文化財機構内に文化財活用センターが開設されたことに伴い発足したもので、両者は今後、高精細複製品を使ったより先進的な文化財活用のあり方や、運用システムの開発を目指すという。