毎年、大規模な展覧会で話題を集める東京・六本木の国立新美術館が2019年の展覧会ラインナップを一部公開した。
19年の幕開けを飾るのは、「イケムラレイコ 土と星 Our Planet」(1月18日~4月1日)だ。長くヨーロッパを拠点に活動し、国際的にも高い評価を得ているイケムラレイコ。日本では14年のヴァンジ彫刻庭園美術館以来、5年ぶりとなる美術館個展では、約210点の作品を16のインスタレーションとして紹介。イケムラがこれまで見てきた景色と、現在を総合的に紹介するものとなる。
続く「ウィーン・モダン クリムト、シーレ 世紀末への道」(4月24日~8月5日)は、19世紀末から20世紀初頭にかけてウィーンで花開いた絵画や建築、工芸、デザイン、ファッションなどウィーン独自の装飾的で煌びやかな文化「ウィーン世紀末文化」を包括的に紹介するもの。同展では、クリムトやシーレのほかに、オスカー・ココシュカ、オットー・ヴァーグナーいった芸術家たちの作品約400点がウィーン・ミュージアムから来日。とくにクリムトは素描をはじめ、47点もの作品が並ぶまたとない機会となる。
夏に注目を集めそうなのは、現代美術の巨匠、クリスチャン・ボルタンスキーの個展「クリスチャン・ボルタンスキー展 - Lifetime」(6月12日~9月2日)だ。これまで、歴史的な記憶や死をテーマに、映像作品やサイトスペシフィックな作品を制作してきたクリスチャン・ボルタンスキー。日本では16年「アニミタス-さざめく亡霊たち」(東京都庭園美術館)以来の美術館での個展となる本展は、19年2月の国立国際美術館で始まり、国立新美術館での開催後は長崎県美術館でも開催。各会場で構成が異なる展示となる予定で、東京だけでしか見られないボルタンスキ—の世界観に期待が高まる。