「トーキョーワンダーウォール」は若手アーティスト育成のため、石原慎太郎元都知事が2000年に創設した現代美術の公募展で、過去10年間で約1万人の応募者を集めている。小池知事はこの「トーキョーワンダーウォール」に関して、「最近は民間団体の公募事業が増えており、一定の役割を果たした」とし、今年度で終了する方針を明らかにした。しかしながら、若手アーティスト支援策は継続的に行っていくとしており、2018年度をめどに、新たな現代美術の賞を創設する考えを明らかにした。
また都が、若手アーティストの発掘支援やアーティスト・イン・レジデンス、作品展示などを行う拠点として、都内3か所(渋谷区渋谷、文京区本郷、墨田区立川)に構えている「トーキョーワンダーサイト」についても方針変更が表明された。都知事は「多様性のある社会の実現を着実に推進するため、アール・ブリュットの拠点に変えていく」というこれまでとはまったく異なる方向への転換を発表。新たな施設を今年の秋頃に暫定的にオープンさせ、その後、本格的な改修を行ったのち、2019年度にグランドオープンさせるという。名称も19年度に変更し、ロゴは若い世代を中心に公募するとしている。