アジアを代表する国際展である韓国の「釜山ビエンナーレ」が、今年で9回目の開催を迎える。
2016年の前回展では、「Hybridizing Earth, Discussing Multitude」をテーマに、日本側のゲスト・キュレーターとして椹木野衣らが参加し、話題を集めた同ビエンナーレ。今年は「Divided We Stand」をテーマに掲げ、9月8日から11月11日にかけて開催される。
今回、釜山ビエンナーレではアーティスティック・ディレクターとキュレーターを公募で選出。今年2月には、パリを拠点に活動するインディペンデント・キュレーターのクリスティーナ・リクペロがアーティスティック・ディレクターに、ベルリン芸術大学教授のヨルグ・ヘイザーがキュレーターとして選ばれている。
「Divided we Stand」をテーマにする今回は、世界各国から約60組のアーティストが参加。「Divided We Stand」というタイトルについて、ビエンナーレ側は「無条件の楽観主義や、未来へのロマンチックな期待について言及するものではありません。 しかし同時に、終末論的でもない。現実を見つめ、地域的な分断が生み出した見えないスポットに目を向けるという決意表明でもあります」とコメント。60組という数字はリクペロとヘイザーによって提案されたもので、近年増えつつある大規模な芸術祭(多くのアーティスト、多くの会場、多くのテーマ)を避ける意図があるという。
なお、今回のメイン会場となるのは6月に開館予定の釜山現代美術館(MOCA BUSAN)と、元韓国銀行ビルの2会場のみで、それぞれの会場は「冷戦とその余波」「サイエンス・フィクション」という視点から展示が構成される。とくに釜山現代美術館は、釜山ビエンナーレを見越して設計されたものであり、延べ床面積は1万5312平米。新たな会場で、さらに発展した釜山ビエンナーレが展開されそうだ。