1ミリにも満たない極細のペンで描く超細密画で知られる池田学。今年3月に出身地の佐賀県立美術館で日本初公開された最新作《誕生》(2016)は、その後、金沢21世紀美術館(石川県)、ミヅマアートギャラリー(東京都)、日本橋髙島屋(東京都)で展示され、各地で大きな話題を呼んだ。
東日本大震災をきっかけに着手され、構想2年、制作3年3ヶ月を費やして制作された本作。満開の花々が咲き誇る大木を中心に、3×4メートルにもおよぶ巨大な画面の隅々にまで様々な風景や物語が描き込まれている。
アプリ「Hi-Res ART 池田学『誕生』のすべて」では、凸版印刷が開発した文化財専用大型オルソスキャナーによる約30億画素の超高精細データを使用。《誕生》を画面上で実物以上の大きさまで拡大することができ、描かれた線1本1本まで鑑賞することが可能となっている。
また、池田による制作日記や、このアプリを用いて開催されたトークイベントの収録動画、作家インタビュー動画もコンテンツとして搭載。《誕生》のすべてを心ゆくまで体験できるツールとなっている。