池田学がペンで描く超細密の世界
制作3年の新作公開

独自の細密画法で超絶技巧的な絵画を制作する池田学の個展「池田学展 The Pen─凝縮の宇宙─」が、佐賀県立美術館にて開催される。1日に描けるのは握りこぶし大ほどだという、ペンで描かれた想像力あふれる作品の数々を公開する。会期は1月20日〜3月20日。

池田学 予兆 2008 紙にペン、インク 190×340cm 株式会社サステイナブル・インベスター所蔵 © IKEDA Manabu Courtesy Mizuma Art Gallery 撮影=久家靖秀

 1ミリメートルにも満たない細い線から壮大な自然や異世界の風景、動植物の姿などを描き出す池田学。紙と丸ペンを使い、東京藝術大学の卒業制作に取り組んでいる際に編み出したという細密画法で絵画作品を制作してきた。近年ではカナダやドイツ、韓国など、国外の展覧会にも招待されている。

 出身地である佐賀県で開催される本展は、池田にとって初めての大規模個展。画業のほぼすべてを網羅するという絵画作品約120点に加え、新作のスケッチや資料、制作過程を記録したタイムラプス映像などが展示される。

 なかでも注目が集まるのは、アメリカ・チェゼン美術館の滞在制作プログラムで3年にわたって制作され、今年11月に完成した新作《誕生》。期間中には、同館館長のラッセル・パンチェンコによる講演会や、池田学をよく知る高校時代の教諭と、ギャラリストの三潴末雄を迎えてのクロストークも予定されている。

編集部

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