フランク・ホーヴァットは1928年オパティヤ(当時イタリア領、現クロアチア領)生まれの写真家。50年代にファッション写真の表現に新風を吹き込み、その黄金期を担った1人として知られる。
ホーヴァットは、40年代初めに人間主義的な視点を踏襲したアプローチで写真家としての活動を開始。パキスタン、インド、イギリスと世界中を渡り歩きながら『パリ・マッチ』『ピクチャー・ポスト』などの雑誌に寄稿した。
54年にはパリに拠点をおき、モデルたちを突発的で一風変わった場所に配置する、偶然居合わせた人を被写体に取り込む、といったルポルタージュ的感覚を取り入れた斬新な表現を探求。そしてその主題は衣服だけでなく、それをまとう無防備で色気のある女性像へと向かっていった。
いっぽうで私的なプロジェクトにも取り組み、人物や、町、風景、彫刻をテーマに書籍を出版。90年代にはデジタル写真を早くから試し、2011年にはiPad用アプリを公開するなど多様な活動を続けている。
日本では初の本格的個展となる本展では「女性」を切り口に、ファッション写真での代表作や、初期のジャーナリスティックな作品、私的なプロジェクト作品など、多岐にわたる作品が出展。2018年には90歳を迎えるホーヴァットの様々な側面を紹介する。