広島を描き尽くした2人の画家、
四國五郎とガタロの師弟展開催

広島の原爆を描いた絵本『おこりじぞう』などで知られる画家・詩人の四國五郎と、四國を師と仰いだ「清掃員画家」・ガタロによる展覧会が開催されている。東京と横浜の2会場連続開催で、会期は11月26日まで。

四國五郎《相生橋》(1984)。原爆によって住居を失った人々が住んだ「原爆スラム」と呼ばれる地域を描いたもの。額は「原爆スラム」の取り壊しで出た廃材でつくられている

 原爆をテーマにした絵本『おこりじぞう』や、詩人・峠三吉とともに制作した『原爆詩集』の装画などで知られる画家・詩人の四國五郎(1924〜2014)。弟を原爆によって亡くして以来、絵画の制作や「広島平和美術展」の設立など様々な活動を通し、生涯をかけて反戦・反核、平和の尊さを訴え続けた。

四國五郎 黒い雨 1985

 その四國と親しく交流し、師と慕ったのが「清掃員画家」として活動するガタロだ。河童の異称である「ガタロ(河太郎)」を名乗る彼は、かつて「原爆スラム」と呼ばれた地に建つ「基町アパート」の清掃員として働きながら、日々の仕事の道具や出会った人、原爆ドームや広島の風景などを描き続けている。

ガタロ 棒ズリ 2002

 ともに広島に生まれ、広島をめぐる様々な事象を見つめ描き続けた2人。本展では、2人の代表作のほか、ガタロが四國に宛てた手紙や、ガタロの新作である世相批評の連作などを展示する。

ガタロ 母 1997

編集部

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