ノミや刀を使用し、クスノキの丸太から彫り出す動物の彫刻作品で知られる彫刻家・三沢厚彦。実物大でつくられ、油絵具で彩色が施された彫刻は、生々しい生命感を漂わせる。
今回、三沢がつくる動物たちが出現するのは渋谷区立松濤美術館。白井晟一の設計による、ホワイトキューブとはかけ離れた豪華な私邸のような特徴的な建築のなかで、動物たちが自ら居場所を見つけ、建築空間と関係を結んでいくような展示が行われる。
また本展では、会期中、美術館を「アニマルハウス 謎の館」とし、三沢が館の主人として居を構えながら制作や展示を行う。さらに、彫刻家の舟越桂、画家の小林正人と杉戸洋、写真家の浅田政志といった三沢と親交の深い作家たちを館に招き、様々な展示やイベントが繰り広げられる。
主人である三沢と招かれた4名のアーティストたち、そしてその作品たちどうしが共鳴し、会期中も動き続けていくという本展。三沢が構想する「彫刻と絵画、その間とその先」とはいったいどんなものになるのだろうか。