闘争の時代「1968年」を考える。60年代の社会運動をテーマにした展覧会が歴博で開催

「1968年」という象徴的な年を中心に、60年代後半に日本で起こった多様な社会運動を取り上げる展覧会が国立歴史民俗博物館で開催。当時の資料約500点が展示される。会期は10月11日〜12月10日。

日大全共闘ヘルメット 国立歴史民俗博物館蔵

 ベトナム反戦運動が世界的に広がり、アメリカではキング牧師暗殺を契機に公民権運動が活発化、フランスでは「五月革命」、社会主義圏では「プラハの春」が起こった1968年。日本でも、60年代後半から戦後日本の政治的・経済的枠組みを問う声が高まり、全国で様々な社会運動が発生した。

 本展は、そんな象徴的な年である1968年を中心に、60年代後半の日本の社会運動に総合的に光を当てる展覧会だ。

 第1部では、世界中で展開されたベトナム反戦運動や、新東京国際空港(現成田国際空港)の建設をめぐる三里塚闘争、今日まで長期闘争として継続する熊本水俣病闘争などを取り上げ、運動で使われた旗やたすき、ポスターなど当時の資料を通してそれぞれの運動について解説する。

三里塚の空港反対同盟が使用したたすき・はちまき・腕章 成田空港 空と大地の歴史館蔵

 第2部では、全国の大学を舞台に起こった全共闘運動の展開をたどる。写真や声明文などの資料のほか、当時の学生たちが接した映画・演劇・漫画などの60年代の文化についても紹介する。

 この時代に噴出した様々な問いは、今なお現役としての意味を持ち続けている。本展は、約50年が経過したいま、60年代に起こった多様な社会運動の意味を改めて考える機会となるだろう。

日大闘争最初のデモ 1968.5 国立歴史民俗博物館蔵

編集部

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