笹川治子は1983年大阪府生まれ。2016年に東京藝術大学大学院先端芸術科博士課程を修了、博士号を取得し、現在は同大学院同学科の教育研究助手をつとめている。
人々がメディアから受ける影響に興味をもち、15年にはグループ展「戦争画 STUDIES」(東京都美術館)を企画、16年には博士論文「メディアのなかの戦争ー戦争画からゲームまで」を執筆するなど、社会的なテーマを扱ってきた。
15年に同大学院博士審査展で発表した作品では、特攻隊に送られた祖父の戦争体験をもとに、祖父が訪れたであろう現場や目撃したという兵器を調査。ベニヤ板でできていたという「人間魚雷」をモチーフとした作品を発表した。魚雷に取り付けられた潜望鏡からは、笹川が収集した写真をのぞき見ることができる構造になっている。
本展では、この作品を再構成して展示する。