人間魚雷の潜望鏡から見える景色とは。笹川治子個展「ベニヤの魚」

現在、東京藝術大学大学院先端芸術科の教育研究助手をしている笹川治子の個展「リコレクション―ベニヤの魚 Recollection: the Plywood Fish」が、大阪のYoshimi Artsで開催される。会期は8月25日〜9月17日。

展覧会イメージ

 笹川治子は1983年大阪府生まれ。2016年に東京藝術大学大学院先端芸術科博士課程を修了、博士号を取得し、現在は同大学院同学科の教育研究助手をつとめている。

 人々がメディアから受ける影響に興味をもち、15年にはグループ展「戦争画 STUDIES」(東京都美術館)を企画、16年には博士論文「メディアのなかの戦争ー戦争画からゲームまで」を執筆するなど、社会的なテーマを扱ってきた。

 15年に同大学院博士審査展で発表した作品では、特攻隊に送られた祖父の戦争体験をもとに、祖父が訪れたであろう現場や目撃したという兵器を調査。ベニヤ板でできていたという「人間魚雷」をモチーフとした作品を発表した。魚雷に取り付けられた潜望鏡からは、笹川が収集した写真をのぞき見ることができる構造になっている。

 本展では、この作品を再構成して展示する。

「リコレクション - ベニヤの魚雷 Recollection - Human Torpedo」展(2015 、東京藝術大学美術館)の展示風景

編集部

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