「栄光」をキーワードに、都市と人の営みの関係を探る。田村友一郎と服部浩之による展覧会が開催

アーティストの田村友一郎とキュレーターの服部浩之がタッグを組み、栃木県の小山市立車屋美術館で展覧会を開催。現在、展覧会ができあがっていく過程がウェブ上で公開されている。会期は9月23日〜11月26日。

 キュレーターの服部浩之は、都市空間の諸問題と公共圏の成り立ちに興味をもち、秋田市と名古屋市の2都市を拠点に、展覧会やプロジェクト、リサーチ活動を展開している。いっぽう、アーティストの田村友一郎は、熱海市を拠点とし、既成のイメージや自らが撮影した素材をサンプリングの手法で再構築する作品を制作している。

 2人は、約1年前から小山市を定期的に訪れ、それぞれの興味関心に基づいたリサーチをウェブ上に蓄積することで、展覧会ができあがっていく過程を公開してきた。スタート時はテーマもタイトルも不確定な状態だったが、両者のリサーチが少しずつ交わるなかから、徐々に展覧会の主題が定まっていった。

 今回決定した展覧会タイトルは、「試論:栄光と終末、もしくはその週末 / Week End」。美術館の公用車である「日産グロリア」がもつ「かつての栄光」のイメージを起点に、小山市にゆかりのある著名人へのインタビューや、車屋美術館を舞台とした短編映画の制作などを通し、少子高齢化という円熟を迎える社会において、誰にもが何かしら経験する「栄光」といかに折り合いをつけ、生きていくか。未来を考えるための「試論」として展覧会を築く。

編集部

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