1943年に奈良県に生まれた絹谷幸二は、68年に東京藝術大学油画科を卒業後、同大学院壁画科に進学。その後イタリアに留学し、アフレスコという壁画技法の一種の研究を行った。帰国後は、画家の登竜門と言われた安井賞を歴代最年少で受賞している。
古都で生まれ育った絹谷は、日本の伝統的要素を基礎に、海外の文化的影響にも目を向けながら、アフレスコ技法による独自の画風を築き上げた。
2014年には文化功労者に選ばれ、16年には、大阪梅田スカイビルに積水ハウスによって絹谷幸二天空美術館が開館されるなど、現在でも日本画壇の第一線で活躍している。
本展には、京都を題材にした新作や展覧会初公開作品のほか、作品の世界観を映像化した巨大スクリーンの作品が登場。それにくわえ、初期の作品と代表作も出品されるなど、画家の全貌を明らかにする展示となっている。