「貘の札」展で見る田名網敬一のサイケな世界

グラフィックデザイナーやイラストレーターとしても活躍する画家・田名網敬一が、個展「貘の札」を開催する。渋谷のNANZUKAで6月24日から8月5日まで。

田名網敬一 彼岸の空間と此岸の空間 2016 キャンバスに顔料インク、アクリルシルクスクリーン、砕いたガラス、光るアクリル絵具、アクリル絵具 217 x 300 cm© Keiichi Tanaami Courtesy of the artist and NANZUKA

 田名網敬一は1936年東京生まれの画家。グラフィックデザイナー、イラストレーター、アーティストと、メディアやジャンルにとらわれずに活動している。近年では2015年に開催されたテート・モダン美術館での「The World Goes Pop」(Tate Modern、ロンドン)をはじめとした海外での展覧会に活躍の場を持っている。また、今年はアーマンド・ハマー美術館で開催された「Oliver Payne and Keiichi Tanaami」(Hammer Museum、ロサンゼルス)にも参加した。

 田名網の作品は、ポップ・アート、サイケデリック・アート、シュールレアリスムといった様々なジャンルの作品から影響を受けている。一目見て特徴的なのは、カラフルでカオスな印象を与える派手な原色や蛍光色を用いた色調だろう。また、田名網の記憶や夢、彼の好むアーティストのイメージを引用していくことで多くの作品は構成されている。

 本展の題にもなっている「貘の札」は、吉夢を見られるように、悪夢を見ないようにするために枕の下に敷いたと言われている札。本展ではこの「貘の札」に絡めた新作10点を公開。これらの新作は近年彼が取り組んでいる、彼の生涯を表した曼荼羅図に並行した作品となっており、他作品同様、若冲やリキテンシュタイン、キリコやエッシャーなどの様々な作品の要素が取り入れられている。

 また、6月24日にはオープニングレセプションも開催される。

編集部

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