人間はなぜ創作するのか。この根元的な問いをもとに企画された展覧会が、京都芸術センターで開催されている。参加するのは、人間の「身体」についてそれぞれ異なるアプローチで活動する3名の作家だ。
本展の企画者でもある黒宮菜菜は、人間の輪郭を滲みやぼかしを用いて描き、身体の存在の曖昧さを表現する絵画を展開。また、二藤建人は、自身が直接世界に触れることを軸に、独自の彫刻表現で人や物質の存在を問う。若木くるみは、自らの身体を表現媒介とし、自身の後頭部にペインティングを施す作品の制作や、世界各地のマラソンを走破する実践を行っている。
本展では、人類の原初的な欲望である「遊動」をテーマに、3名が作品を発表。10万年前から地球上のあらゆる場所に移動・拡散してきた人類の、表現活動への欲望の根幹を探る。