青木野枝(1958年、東京生まれ)は、工業用の鉄板を用いた彫刻作品で知られており、これまでに国立国際美術館(大阪)、豊田市美術館、名古屋市美術館(愛知)などで個展を開催。近年は、2003年から参加している「大地の芸術祭」や「瀬戸内国際芸術祭2010」など各地の芸術祭での活動のほか、子供が鉄を切り作品をつくるワークショップも精力的に開催している。
青木の作品は、鉄板を円などの基本となるかたちに切り出し、それらをつなぎ合わせる作業を繰り返すことでつくり上げられる。鉄が本来の重さ、固さから解き放たれたかのような彫刻は、置かれた空間をも変化させる。
本展は、ギャラリー・ハシモトでの2年ぶりの個展。「いま、気になっているのは、何か覆われるもの。覆うもの。覆われていく気配。そんなものを形にしていきたいのだが 彫刻は私のなかにおいて、私自身が知らぬ間につくりだされる」と語る青木が、新たな視点から生み出した大型彫刻を含む新作を発表する。