香川県・直島にある直島新美術館で、2026年度一部冬の展示替えにともない、今津景とバグース・パンデガによる展覧会「Currents without Anchors(錨なき流れ)」展が開催される。公開開始日は12月12日。

バンドンを拠点とする2者による、初の美術館における本格展示
今津景は1980年山口県生まれ。インドネシアのバンドンを拠点に活動。インターネット時代の膨大な画像アーカイブを掘り起こし、断片化したデジタル空間を考古学的に再構成する。リサーチを基盤に3Dレンダリングやデジタルスケッチを用いて下絵を組み立て、CGIやUnreal Engine、3Dプリントも導入しつつ、直感と身体感覚に根ざした絵画を展開。2018年のインドネシア移住以降は、群島部の神話・口承と多層的な植民地史、日本の戦時関与をテーマとして扱い、近年は東京オペラシティ アートギャラリー(東京)やMuseum MACAN(インドネシア)での個展を通じて、映像・彫刻・没入型インスタレーションへと表現を拡張している。

バグース・パンデガは1985年にインドネシア・ジャカルタで生まれ、バンドンを拠点に活動。16世紀の香辛料交易からパーム油、電池用ニッケルに至るまで、資源抽出の歴史と現在を主題とし、DIY的手法で身近なテクノロジーや植物、希土類鉱物、楽器を組み合わせた装置を制作する。人の気配など超局所的な環境変化に応答し、音や運動を生む機械や化学反応を作動させるインスタレーションを発表。バンドン工科大学で修士号を取得。近年はクンスターレ・バーゼルやスイス・インスティチュートで個展を開催し、活躍の場を広げている。

本展は、現在インドネシアを拠点に活動を展開する両者が共同で開催する初の美術館における本格的な展示となる。瀬戸内とインドネシアという、いずれも海に囲まれた島々で構成された環境のつながりをもとに構想された本展では、海をめぐる資源の移動、欲望の拡張、それにともなう災害や戦争の記憶を、「流れ(current)」「浄化と保存」「破壊と再生」といった概念を通して可視化を試みるものだ。
過去・現在・未来や神話と史実が交差、重なり合い、海中や森林を想起させる空間には、波のように変化する光、大量の流木や大画面の絵画、音を奏でる彫刻など多様な作品群と自然の素材が連動して配置され、私たちが生きる環境や世界の状態について示唆を与える空間が創出される。なお、同館に展示されているほかの作品は継続して展示される。
























