今週末に見たい展覧会ベスト11。菅井汲、ART FAIR ASIA FUKUOKAからマリメッコ展、「禅とジブリ」まで【2/4ページ】

「フォンタネージ―イタリアの光・心の風景」(京都国立近代美術館)

 京都国立近代美術館で開催中の「フォンタネージ―イタリアの光・心の風景」が、10月4日に閉幕する。日本とイタリアの国交樹立160周年、そしてアントニオ・フォンタネージの来日150周年を記念して企画された展覧会だ。京都会場の終了後は、三菱一号館美術館、名古屋市美術館へと巡回する。

 フォンタネージ(1818〜82)は、明治政府が設立した工部美術学校で西洋画を教え、浅井忠や小山正太郎らに大きな影響を与えたイタリアの画家。本展は、そうした「お雇い外国人」としての側面にとどまらず、イタリア近代風景画を代表する画家としての全貌に光を当てる日本初の大回顧展となる。

 初期から晩年までの油彩画に加え、スイスやイギリス滞在中の版画など約200点を紹介。日本でフォンタネージに学んだ浅井忠や小山正太郎らの作品を並べるほか、ジョヴァンニ・セガンティーニやカルロ・カッラなど後世のイタリア美術に残した影響までを検証し、その国際的な活動と風景画家としての位置づけを捉え直す。

会期:2026年7月18日~10月4日
会場:京都国立近代美術館
住所:京都府京都市左京区岡崎円勝寺町26-1
開館時間:10:00~18:00(金曜は~20:00)※入館は閉館30分前まで
料金:一般2000円 / 大学生1100円 / 高校生500円 / 中学生以下無料

「ムーンアートナイト下北沢 2026」(下北沢エリア全域)

 東京・下北沢の街を舞台にしたアートフェスティバル「ムーンアートナイト下北沢 2026」が、10月4日に閉幕する。今年で5回目を迎える同イベントでは、「月」をテーマに、アート、音楽、演劇、飲食、ワークショップなど約100の企画が下北沢の街中で展開されている。

ルーク・ジェラム《Museum of the Moon》

 今年の屋外作品には、国内外5組のアーティストが参加。ルーク・ジェラムによる直径7メートルの《Museum of the Moon》をはじめ、金氏徹平による新作インスタレーション、岸裕真+竹森達也による植物の生体データを音と光へ変換する作品、松田将英による高さ約8メートルの巨大な「笑い泣き」の絵文字、河野未彩による蓄光を用いたインスタレーションなどが、下北線路街を中心とする各所に出現している。

 さらに、萩原朔太郎の『猫町』をモチーフに、下北沢駅前から世田谷代田駅周辺までを巡るイマーシブシアターも上演。通常は立ち入ることのできない鉄道施設も舞台の一部となり、街そのものを体験型演劇の空間へと変える。

会期:2026年9月18日~10月4日
会場:下北沢エリア全域(下北線路街[東北沢・下北沢・世田谷代田駅周辺]、各商店街など)
開場時間:15:00~21:00 ※「下北線路街 空き地」の展示は~21:30
料金:無料(一部有料。スタンダードチケット1500円、イマーシブシアター《猫町》チケット5000円ほか) ※小雨決行、雨天中止

今週開幕

「没後30年 菅井汲」(広島県立美術館)

 広島県立美術館で「没後30年 菅井汲」が10月2日に開幕する。戦後の日本美術を代表する画家のひとりで、1952年に渡仏して以降、ヨーロッパを中心に国際的な評価を獲得した菅井汲(1919〜1996)。没後30年を機に、その活動を振り返る展覧会となる。

菅井汲《準備完了》(1968) 広島県立美術館

 菅井は渡仏前、阪急電鉄の事業宣伝課でポスターなどのデザインを手がけていた。パリでは水墨画や書など東洋を意識した独自の抽象表現によって注目され、1954年にはクラヴァン画廊で初個展を開催。1960年代には画面を単純化し、鮮やかな色彩と幾何学的な形態を組み合わせた表現へと移行していった。

 展覧会では、デザイナーとして活動した初期から、渡仏後の東洋的なモチーフによる作品、1960年代以降の幾何学的抽象、さらに晩年の「S」シリーズまで、その画業をたどる。交通事故後に基本となる形を組み合わせる制作方法を推し進め、第34回ヴェネチア・ビエンナーレへの出品や東京国立近代美術館の大壁画へと展開した時期も重要な見どころとなる。

会期:2026年10月2日~12月6日
会場:広島県立美術館
住所:広島県広島市中区上幟町2-22
電話番号:082-221-6246
開館時間:9:00~17:00(金曜は~19:00)※入場は閉館30分前まで。10月2日は10:00開場
料金:一般1500円 / 高校生・大学生1000円 / 小学生・中学生700円 ※前売り・20名以上の団体は200円引き