「レオ・レオーニと仲間たち」が美術館「えき」KYOTOで開催へ。レオーニが生涯を通じて問い続けたテーマとは?

美術館「えき」KYOTOで、イラストレーターで絵本作家のレオ・レオーニの制作活動をたどる展覧会「レオ・レオーニと仲間たち」が開催される。会期は11月22日~12月25日。

『マシューのゆめ』原画 1991 Matthewʼs Dream ⓒ 1991 by Leo Lionni/Knopf  Works by Leo Lionni, On Loan By The Lionni Family

 美術館「えき」KYOTOで、イラストレーターで絵本作家のレオ・レオーニ(1910〜99)の制作活動をたどる展覧会「レオ・レオーニと仲間たち」が開催される。会期は11月22日~12月25日。

 レオーニは、オランダのユダヤ系の家庭に生まれる。幼少期からイタリアやアメリカなど各地を転々としながら育ち、イタリアで差別的な人種法が制定されたことをきっかけに、1939年にアメリカへ渡った。フィラデルフィア、ニューヨークでグラフィックデザイナーとして活躍し、N.W.エイヤー、MoMAやフォーチュン誌の仕事を手がける。59年には初の絵本『あおくんときいろちゃん』を出版し、絵本作家としてデビュー。その後、イタリアのトスカーナとニューヨークを往来しながら、絵本、絵画、彫刻の制作に打ち込み、多数の作品を生み出した。

レオ・レオーニ

 本展では、レオーニの生涯にわたる創作活動をたどるとともに、彼と影響を与えあったアーティストたちも紹介される。イタリアではブルーノ・ムナーリ(1907〜98)をはじめ、多くのアーティストや文化人と交流し、渡米後の後半生では、ヨーロッパとアメリカ、コマーシャルアートとファインアートといった異なる領域を横断しながら制作を続けた。その活動の全貌を、20世紀の文化史の大きな流れのなかでとらえつつ、全5章構成で紐解いていくという。とりわけ最終章では、30年以上にわたる絵本制作の軌跡を振り返りながら、自己のアイデンティティ、平和な社会への思い、そしてアーティストとしての自負といった、レオーニが生涯を通じて問い続けたテーマを読み解くことができるだろう。

製菓会社新聞広告 ミラノからヴェネツィアへ直行 1935頃 板橋区立美術館蔵(Gift of the Leo Lionni Family, 2021)
ユネスコ ポスター World on view(世界を見わたす) 1952 板橋区立美術館蔵(Gift of the Leo Lionni Family, 2021)
ニューヨーク近代美術館 開館25周年記念ポスター 1954 板橋区立美術館蔵(Gift of the Leo Lionni Family, 2021)
想像肖像シリーズ(金髪の婦人) 1963頃 板橋区立美術館蔵(Gift of the Leo Lionni Family, 2021)
植物学 1991 Works by Leo Lionni, On Loan By The Lionni Family
プロジェクト:幻想の庭 1978 板橋区立美術館蔵(Gift of the Leo Lionni Family, 2021)
『フレデリック』原画 1967 Frederick ⓒ 1967, renewed 1995 by Leo Lionni/Pantheon   Works by Leo Lionni, On Loan By The Lionni Family

編集部