国立西洋美術館で「チュルリョーニス展 内なる星図」が来春開催へ。リトアニアの画家、34年ぶりとなる大回顧展【2/3ページ】

 展覧会は、プロローグ、エピローグに加え、全3章の構成となる。プロローグでは、音楽を学び、その後長年の夢であった絵画の道を本格的に志した頃のチュルリョーニスの作品が紹介される。

ミカロユス・コンスタンティナス・チュルリョーニス 森の囁き 1904 キャンバスに油彩
国立M. K. チュルリョーニス美術館(カウナス)所蔵
M. K. Čiurlionis National Museum of Art, Kaunas, Lithuania.

 第1章「自然のリズム」では、祖国の生命感あふれる自然を抽象的かつ抒情的に描いた作品が紹介される。日本初公開となる《春》(1907)や、連作「冬」(1907)からは、自然の動的な移ろいと循環のプロセスに対する画家の深い関心が見て取れる。

ミカロユス・コンスタンティナス・チュルリョーニス 春 1907 紙にテンペラ
国立M. K. チュルリョーニス美術館(カウナス)所蔵
M. K. Čiurlionis National Museum of Art, Kaunas, Lithuania.
左から、ミカロユス・コンスタンティナス・チュルリョーニス 連作「冬」よりⅣ、連作「冬」よりⅤ、連作「冬」よりⅧ 1907 紙にテンペラ
国立M. K. チュルリョーニス美術館(カウナス)所蔵
M. K. Čiurlionis National Museum of Art, Kaunas, Lithuania.

 続く第2章「交響する絵画」では、音楽的な要素を取り入れた独特なアプローチによる作品の数々が紹介される。19世紀末から20世紀初頭のヨーロッパは、ボードレール、ワーグナー、ニーチェらの思想から影響を受け、多くの画家が絵画と音楽の融合を目指していた時期だ。しかし、チュルリョーニスはほかの作家の色彩による音楽表現とは異なり、音楽の構造を絵画の構造に応用したという点に特徴がある。

 同展では、二部作「プレリュード、フーガ」よりフーガが日本初公開となる。

ミカロユス・コンスタンティナス・チュルリョーニス 二部作「プレリュード、フーガ」よりフーガ 1908 紙にテンペラ
国立M. K. チュルリョーニス美術館(カウナス)所蔵
M. K. Čiurlionis National Museum of Art, Kaunas, Lithuania.
左から、ミカロユス・コンスタンティナス・チュルリョーニス 第5ソナタ(海のソナタ):アレグロ、第5ソナタ(海のソナタ):アンダンテ、第5ソナタ(海のソナタ):フィナーレ 1908 紙にテンペラ
国立M. K. チュルリョーニス美術館(カウナス)所蔵
M. K. Čiurlionis National Museum of Art, Kaunas, Lithuania.

編集部