ミケル・バルセロが見せる信楽焼。ファーガス・マカフリー東京で個展

ファーガス・マカフリー東京で、スペインを代表する現代アーティスト、ミケル・バルセロによる信楽焼の個展が開催される。

Fish and Crabs(⿂と蟹) 2023 ⼟ 49x45x47cm Photo by Ryuichi Maruo

 東京・北青山にあるファーガス・マカフリー東京で、スペインを代表する現代アーティスト、ミケル・バルセロによる個展が開催される。バルセロにとって同ギャラリーにおける初の発表となる。

 ミケル・バルセロは1957年マヨルカ島フェラニッチ⽣まれ。現在マヨルカとパリを拠点に活動。ルーヴル美術館で展⽰を⾏った最年少の作家であり、2009年の第53回ヴェネチア・ビエンナーレでスペイン館代表を務め、1982年にはドクメンタ7(ドイツ・カッセル)にも参加。これまで国⽴国際美術館(2021年、⻑崎県美術館・三重県⽴美術館・東京オペラシティ アートギャラリーへ巡回)、グッゲンハイム美術館ビルバオ(2005)、タマヨ美術館(2005)、ソフィア王妃芸術センター(2002)、ポンピドゥー・センター(1996)など、数々の重要な美術館で回顧展を開催。また陶芸作品に焦点を当てた展覧会は、カタルーニャ・ラ・ペドレラ財団(2024)、セレ美術館、国⽴アズレージョ美術館(2013)、装飾美術館(2000)などで開催されている。

 若き⽇からアフリカやアジアを旅し、マリのドゴン族の⽂化や⽇本の縄⽂⽂化などにも親しんできたバルセロ。その知識をもとに、絵画、陶芸、彫刻において独⾃のスタイルを確⽴し、荒削りな⼒強さと圧倒的な物質性を備えた作品を⽣み出してきた。その絵画作品は、1981年のサンパウロ・ビエンナーレ、1982年のドクメンタ7をきっかけに世界的に知られるようになる。

 いっぽう、1994年のアフリカ・マリ滞在では、ドゴン族の伝統的な⼟器に触れ、初めて⼟を使った制作をスタート。これまで4000点を越える陶作品を⽣み出し、あらゆる地域の陶芸について学んできたという。

 本展では、2023年に信楽の陶芸家・古⾕和也との共同制作から⽣まれた14作品が展示される。