展覧会と、厳選されたギャラリー・美術商によるアートフェアの二部で構成されるアートイベント「CURATION⇄FAIR Tokyo」が2月1日に幕を開ける。
同イベントは東京の登録有形文化財である「kudan house(九段ハウス)」(旧山口萬吉邸)を舞台に今年初開催され、大きな注目を集めた。今回もメイン会場となるのはkudan houseで、普段は一般公開されていない重厚かつ繊細な佇まいの歴史的空間で、アートを楽しみ、購入することができる。
今回も展覧会とアートフェアという昨年の枠組みは引き継がれ、それぞれ会期は展覧会が2月1日〜2月16日(プレビュー:1月31日)、アートフェアが2月22日〜 2月24日(プレビュー:2月21日)だ。
展覧会は昨年から引き続き担当する遠藤水城のほか、新たに兼平彦太郎と岩田智哉が加わり、3つのキュレーションを楽しむことができる。
遠藤は昨年同様、「美しさ、あいまいさ、時と場合に依る(The Beautiful, the Ambiguous, and Itself)」をタイトルとする展覧会をキュレーション。同タイトルは、川端康成がノーベル文学賞受賞に際し、1968年に行った講演のタイトル「美しい日本の私」と、その26年後に日本人で2人目の同賞受賞を果たした大江健三郎の「あいまいな日本の私」から着想を得たもの。古美術の銘品から現代美術まで、様々な作品がkudan house内の至るところに展示される。出品作家は、有元利夫、鳥海青児、藤島武二、猪熊弦一郎、川端康成、河井寛次郎、香月泰男、松本竣介、三宅砂織、中屋敷智生、唐三彩万年壺、八木一夫、山口長男ほか。
2つ目の展覧会は兼平彦太郎によるもので、現時点でタイトルは未定。舞台はkudan house地下1階スペースで、絵画や彫刻をはじめ、その特徴的な空間に合わせた映像やインスタレーションなど、今回の企画のための新作や国内未発表作を含む国内外の作家たちの作品で構成されるという。
3つ目は岩田智哉による展覧会「ここに立つ(仮)」だ。kudan house 旧ガレージ・庭を会場とする本展では、柏木崇吾と木藤遼太の2作家の作品を通して、母屋の周囲を内と外を反転させる仮の空間へと転換。母屋内での身体感覚を揺るがすと同時に、私たちのいまいる場所に対する認識を相対化させることを目指すとしている。
- 1
- 2