壁を埋め尽くす、横尾忠則の「HANGA JUNGLE」

60年代から最新作まで、横尾忠則の版画作品約250点が展示される大回顧展が開催される。町田市立国際版画美術館で4月22日より。

《Blue Wonderland》 1973年 シルクスクリーン 241.8×292cm 町田市立国際版画美術館蔵

 1960年代にアンダーグラウンド演劇のポスターのデザインで注目されて以来、日本文化をリードするデザイナーとして活躍してきた横尾忠則。その一方で版画の制作にも積極的に取り組み、82年に「画家宣言」を発した後も、ペインティングと併行して版画の枠を超えた作品を制作し続けている。

 本展では、横尾の版画作品のほぼすべてに相当する約230点と、これまでポスターと見なされてきた版画作品約20点を合わせ、計約250点を展示。60年代から最新作までの横尾の版画の全貌が明らかになる。

 展覧会のキーワードとなる「HANGA」は、横尾の作品が伝統的イメージが付随する「版画」とは異なる「超版画」であるという意味を含んでいる。もうひとつのキーワード「JUNGLE」は横尾の表現の多様性を意味し、会場では、複雑な生態系が形成されたジャングルのイメージで壁面を埋め尽くすように作品が展示される。

 会期中には、美術批評家の椹木野衣を講師に招く講演会のほか、横尾本人が登場するイベントも予定されている。

編集部

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