70年代の日本を彩る「パロディ」の展覧会、東京駅で開催

1970年代より日本で社会的に流行した「パロディ」を、当時の視覚文化を通して再検証する「パロディ、二重の声 ――日本の一九七〇年代前後左右」展が、2月18日より東京ステーションギャラリー(丸の内)で開催される。

横尾忠則 POPでTOPを! 1964頃 作家蔵

 1970年代、サブカルチャーの開花とともに日本社会で流行した「パロディ」。週刊誌やマンガ誌から街頭やテレビ広告として用いられ、機知と批判に富んだパロディという形式は、時代を象徴する現象となった。

 赤瀬川原平の『櫻画報』(1970-71)が『朝日ジャーナル』の誌面を占領し、筒井康隆がSF小説『日本沈没』(1973)をパロディ化した『日本以外全部沈没』(1973)を発表。また、創刊当初からパロディ・マガジンを意識した『ビックリハウス』(1974-85)は若者の圧倒的な支持を集めるなど、パロディは多様な形態で頻繁に実践された。

 本展では、赤瀬川原平や横尾忠則など、時代を彩ったアーティストから、知られざる作家による絵画、マンガ、グラフィックまで、約300点の作品や資料を通して、パロディという技術または形式をあらためて検討する。また、あえて一時代に焦点を絞ることによって、具体的な表現と社会の交錯を浮かび上がらせるとともに、今日における「オリジナル/コピー」をめぐる問題を根本的に考える機会となっている。

編集部

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