「孤高のブリコルール」加藤アキラの活動を総覧する個展がアーツ前橋で開催中

群馬県を代表する現代芸術家のひとり、加藤アキラの活動を網羅した初の展覧会が、アーツ前橋で3月18日から開催されている。

加藤アキラ 天と地の間で 2004年 割り箸、木、水性塗料

 加藤アキラは、1937年群馬県生まれ。60年代に、前橋を舞台に前衛美術を展開した「群馬NOMOグループ」の作家として活躍。車の整備工として勤めるかたわら、アルミニウムやワイヤーブラシなど身の回りにある道具や素材を用いた作品で注目を集めた。

 これまで、69年「現代美術の動向」展(京都国立近代美術館)への招待出品をはじめ、87年「アートドキュメント’87」(栃木県立美術館)、93年「現代美術への招待―加藤アキラ・金井訓志展」(高崎市美術館)、2010年「社会芸術 ”自力更生車+α計画” 2010 in 宇都宮とその周辺」(宇都宮市内商店街)、13年「アーツ前橋開館記念展 カゼイロノハナ」(アーツ前橋)などに参加。本展は、これまでの活動を総覧する初の展覧会となる。

 展覧会タイトルとなっている「ブリコルール」は、フランス語の「bricoler(繕う)」に由来する語で、ありあわせの道具や材料を寄せ集め自分の手でものをつくる人のこと。加藤は、身の回りで廃棄されていく日用品や自然の素材に僅かな細工を施し、作品へと昇華させる。

 会期中には、加藤とともに竹を使って作品をつくるワークショップや、過去にも加藤の作品と共演した舞踏家・田中泯によるダンスなど、関連イベントも多数開かれる。

《環》 2013年 砂鉄、木、ボルトナット、タイヤ 直径550cm 作家蔵 撮影:木暮伸也

編集部

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