日本科学未来館の常設展示が7年ぶりにリニューアルされる。今年11月22日に公開を予定している、「ロボット」「地球環境」「老い」をテーマとする新たな展示のタイトルを含む詳細情報が決定した。
「ロボット」のテーマでは、「ハロー! ロボット」と「ナナイロクエスト-ロボットと生きる未来のものがたり」のふたつが新たに展示される。「ハロー! ロボット」は、ロボットたちとのふれあいや、最新ロボティクス研究の紹介を通して、未来の多様なロボットとの暮らしを想像。新しい可能性を見つけることができる展示となる。実際に触れたり声をかけることでインタラクティブな体験ができることが特徴だ。監修は茂木強(科学技術振興機構 研究開発戦略センター フェロー)。
もうひとつの「ナナイロクエスト-ロボットと生きる未来のものがたり」では、人とロボットがともに暮らす未来のまち「ナナイロシティ」が登場。この都市で起こったトラブルを解決するために、専用タブレットを使って展示空間を探索していくといった物語だ。この体験から、人とロボットとの様々な付き合い方を考える機会を創出するものとなる。
監修は安藤健(ロボット技術、大阪大学医学系研究科 招聘研究員)、塩瀬隆之(問い・体験、京都大学総合博物館 准教授)。
「地球環境」のテーマでは、「プラネタリー・クライシス -これからもこの地球でくらすために」という新展示が展開される。地球環境に対して危機感を抱くものの、具体的なアクションを起こせる人はまだ限られているという現状があるなかで、そのことの理解と実践例を紹介し、地球環境と暮らしを多角的に見つめ直すことを提案。これからも地球で暮らしていくために何ができるのか、考えていくものとなる。
総合監修は、武内和彦(地球環境戦略研究機関(IGES)理事長)、江守正多(東京大学 未来ビジョン研究センター 教授 / 国立環境研究所 上級主席研究員)。
「老い」のテーマでは、自分らしい生き方・老い方を模索することができる「老いパーク」が登場する。展示では、多くの人々が自覚しやすい目、耳、運動器、脳の4つの老化現象を疑似体験することで誰にでも訪れる老いを体感。そのメカニズムや対処法、ロボティクスを用いたサポートなど、科学技術を活用しながら、老いとの付き合い方・生き方のヒントを得るものとなる。総合監修は、荒井秀典(国立長寿医療研究センター 理事長)。
新たに誕生する3テーマと4つの常設展示。これらのアプローチは、様々な社会の課題との向き合い方や解決に向けたヒントを、最新の科学や技術にもとづく体験を通して考えるきっかけとなるだろう。