昨年から今年にかけ、ニューヨーク近代美術館で個展を開催したドイツ人アーティスト、ヴォルフガング・ティルマンス。その個展「Moments of life」展が、東京・表参道のエスパス ルイ・ヴィトン東京で開催される。会期は2月2日〜6月11日。
ティルマンスは1968年ドイツ・レムシャイト生まれ。ボーンマス・アンド・プール・カレッジ(イギリス)にて写真を学んだ後、80年代から雑誌『i-D』などファッション雑誌で作品を発表し注目を浴びる。身の回りの何気ない人物やモノなど日常の繊細な美をとらえ、セクシュアリティやジェンダーなど社会的なテーマも扱う作品は若者世代の共感を呼んだ。
80年代後半以降、ティルマンスは写真やイメージの創造の境界線を拡張する作品群を展開。その写真作品は多岐に渡り、展示方法も壁に貼り付けるものや額装など、様々だ。また肖像画、静物画、風景画といった伝統的なジャンルに立ち戻りつつ、コピー機での拡大印刷や暗室での抽象表現など、写真印刷技術の実験も行っている。
フォンダシオン ルイ・ヴィトンは2007年以降、ティルマンスの作品を収蔵し続けており、現在のコレクションは30点を超える。本展では、そんなコレクションから厳選された作品が並ぶという。